Statement by Glenn Stevens, Governor: Monetary Policy Decision
At its meeting today, the Board decided to leave the cash rate unchanged at 4.25 per cent.
Information becoming available since the December meeting confirms that economic conditions in Europe were weakening late last year, with risks still skewed to the downside. Reflecting this, most forecasters have lowered their forecasts for world GDP growth this year to a below trend pace. That said, recent data from the United States suggest a continuing moderate expansion after a soft patch in mid 2011. Growth in China has moderated as was intended, but on most indicators remained quite robust through the second half of last year. Conditions around other parts of Asia have softened. Commodity prices declined for some months to be noticeably off their peaks, but over the past couple of months have risen somewhat and remain at quite high levels.
The acute financial pressures on banks in Europe were alleviated considerably late in 2011 by the actions of policymakers. Much remains to be done to put European sovereigns and banks on a sound footing, but some progress has been made. Financial market sentiment, though remaining skittish, has generally improved since early December. Share markets have risen and term funding markets have re-opened, including for Australian banks, albeit at increased cost compared with the situation prevailing in mid 2011.
Information on the Australian economy continues to suggest growth close to trend, with differences between sectors. Labour market conditions softened during 2011 and the unemployment rate increased slightly in mid year, though it has been steady over recent months. CPI inflation has declined as expected, as the large rises in food prices resulting from the floods a year ago have been unwinding. Year-ended CPI inflation will fall further over the next quarter or two. In underlying terms, inflation is around 2½ per cent. Over the coming one to two years, and abstracting from the effects of the carbon price, the Bank expects inflation to be in the 2–3 per cent range.
Credit growth remains modest, though there has been a slight increase in demand for credit by businesses. Housing prices showed some sign of stabilising at the end of 2011, after having declined for most of the year. The exchange rate has risen further, even though the terms of trade have started to decline. This is largely a reflection of a decline in the euro against all currencies. Nonetheless, the Australian dollar in trade-weighted terms is somewhat higher than the Bank had previously assumed.
At today's meeting, the Board noted that interest rates for borrowers have declined to be close to their medium-term average, as a result of the actions at the Board's previous two meetings. With growth expected to be close to trend and inflation close to target, the Board judged that the setting of monetary policy was appropriate for the moment. Should demand conditions weaken materially, the inflation outlook would provide scope for easier monetary policy. The Board will continue to monitor information on economic and financial conditions and adjust the cash rate as necessary to foster sustainable growth and low inflation.
和訳
政策理事会は本日の会合で、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを4.25%に据え置くことを決定した。12月の会合後に明らかになった情報では、欧州の経済状況は昨年終盤に弱まり、リスクは依然として下向きであることを確認した。これを反映して多くの予測は、今年の世界の国内総生産(GDP)の伸びは基調ペースを下回る水準に下方修正された。最近の米国のデータは、2011年半ばの弱めの基調以降、緩やかな拡大が続いていることを示している。
中国の成長は予期された通り鈍化したが、多くの指標は昨年下半期を通じて引き続きかなり力強い。アジアの他地域の状況は鈍化した。コモディティ価格は何カ月か下落しピーク時をかなり下回ったが、ここ数カ月はある程度上昇しかなり高水準にある。欧州の銀行への重大な圧力は、2011年終盤の政策当局による措置によりかなり和らいだ。欧州ソブリンと銀行の足場が健全となるには、多くの残された課題があるが、一定の前進はみられた。金融市場の地合いは引き続き警戒感が強いが、12月初め以降、総じて改善した。株式市場は上昇し、豪州の銀行を含めターム資金調達市場は、2011年半ばの状況に比べてコストが上昇しているものの、再び稼働した。
豪経済に関する情報は、成長率がトレンドに近く、セクターごとに違いがあることを引き続き示している。労働市場は2011年に軟化し、失業率は年央にやや上昇したが、ここ数カ月は安定している。
消費者物価指数(CPI)上昇率は、1年前の洪水に伴う食品価格の大幅な上昇が収まり、予想通り低下している。年間ベースのCPI上昇率は今後1─2四半期でさらに低下する見通しだ。基調インフレ率は2.5%前後となっている。中銀は、炭素価格の影響を差し引けば、今後1─2年のインフレ率が2─3%のレンジ内に収まると予想している。
企業の信用需要には若干の増加がみられるが、信用の伸びは依然小幅だ。住宅価格は2011年の大半の期間で下落していたが、年末時点で安定化の兆しが出ている。
交易条件の低下が始まっているにもかかわらず、為替レートは一段と上昇した。これは主として、ユーロが他のすべての通貨に対して下落したことを反映している。ただ、貿易加重ベースの豪ドルは中銀の当初の想定をやや上回っている。
理事会はきょうの会合で、過去2回の理事会で決定した行動により、借り入れ金利が中期的平均近くまで低下したことを指摘した。成長率はトレンド近く、インフレ率も目標近くで推移すると予想されるため、理事会は現在の金融政策が当面適切との判断を下した。
需要の状況が大幅に悪化した場合、インフレ見通しからみて、金融緩和の余地が生じる。理事会は引き続き経済・金融情勢に関する情報を監視し、持続可能な成長と低インフレを促すため、必要に応じてキャッシュレートを調節する。
和訳
政策理事会は本日の会合で、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを4.25%に据え置くことを決定した。12月の会合後に明らかになった情報では、欧州の経済状況は昨年終盤に弱まり、リスクは依然として下向きであることを確認した。これを反映して多くの予測は、今年の世界の国内総生産(GDP)の伸びは基調ペースを下回る水準に下方修正された。最近の米国のデータは、2011年半ばの弱めの基調以降、緩やかな拡大が続いていることを示している。
中国の成長は予期された通り鈍化したが、多くの指標は昨年下半期を通じて引き続きかなり力強い。アジアの他地域の状況は鈍化した。コモディティ価格は何カ月か下落しピーク時をかなり下回ったが、ここ数カ月はある程度上昇しかなり高水準にある。欧州の銀行への重大な圧力は、2011年終盤の政策当局による措置によりかなり和らいだ。欧州ソブリンと銀行の足場が健全となるには、多くの残された課題があるが、一定の前進はみられた。金融市場の地合いは引き続き警戒感が強いが、12月初め以降、総じて改善した。株式市場は上昇し、豪州の銀行を含めターム資金調達市場は、2011年半ばの状況に比べてコストが上昇しているものの、再び稼働した。
豪経済に関する情報は、成長率がトレンドに近く、セクターごとに違いがあることを引き続き示している。労働市場は2011年に軟化し、失業率は年央にやや上昇したが、ここ数カ月は安定している。
消費者物価指数(CPI)上昇率は、1年前の洪水に伴う食品価格の大幅な上昇が収まり、予想通り低下している。年間ベースのCPI上昇率は今後1─2四半期でさらに低下する見通しだ。基調インフレ率は2.5%前後となっている。中銀は、炭素価格の影響を差し引けば、今後1─2年のインフレ率が2─3%のレンジ内に収まると予想している。
企業の信用需要には若干の増加がみられるが、信用の伸びは依然小幅だ。住宅価格は2011年の大半の期間で下落していたが、年末時点で安定化の兆しが出ている。
交易条件の低下が始まっているにもかかわらず、為替レートは一段と上昇した。これは主として、ユーロが他のすべての通貨に対して下落したことを反映している。ただ、貿易加重ベースの豪ドルは中銀の当初の想定をやや上回っている。
理事会はきょうの会合で、過去2回の理事会で決定した行動により、借り入れ金利が中期的平均近くまで低下したことを指摘した。成長率はトレンド近く、インフレ率も目標近くで推移すると予想されるため、理事会は現在の金融政策が当面適切との判断を下した。
需要の状況が大幅に悪化した場合、インフレ見通しからみて、金融緩和の余地が生じる。理事会は引き続き経済・金融情勢に関する情報を監視し、持続可能な成長と低インフレを促すため、必要に応じてキャッシュレートを調節する。
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